長野県指定給油所の入札参加資格として、同制度の認定店舗であることとした長野県の運用に、激しく抵抗した下村恭議員の活躍ぶりについては、先日紹介した。
それに対して、長野県は、下村議員に丁寧に価格表示制度の目指すところを説いたわけだが。次の議会では、豹変する。ちなみに、この間、知事は田中康男氏から、村井仁氏に替わった。
以下、平成18年9月県会の委員会議事録から、抜粋。
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平成18年 9月定例会商工生活環境委員会-10月17日-01号
◆宮澤敏文 委員 それじゃ、しっかりとその部分は変わってくると、新しい風の中でしっかりとなってくると、こういうことで理解します。よろしくお願いいたします。
ガソリン等価格表示認定制度の問題についてお聞きします。
ガソリンが非常に高くなっています。この問題のことについて、このまま続けるのか、それともどういうような形で現在進行しているのか、準備されているのか。現状をまずお話しいただきたいと思います。
◎宮津雅則 生活文化チームリーダー この関係、前回の6月県会でも御指摘いただきまして、その後7月18日でございますけれども、私どもと石油商業組合との懇談会を持ちまして、意見交換してございます。その後、石油商業組合さんからは申し入れという形でいただいてまして、若干この中のことをポイントを話しますと、価格表示についての判断というのは、経営者みずから行いますと。しかしながら、当組合としましても、長野県民や観光客等が安心してガソリンスタンドを御利用いただくためにも、価格表示は必要であるとの認識から、あらゆる機会を通じて組合員の協力を進めているところですと。
もう1点、その中で若干御指摘いただいておりましたのが、去る4月のときに県の入札の条件にこれをしたんですけれども、これについては御批判をいただいておりまして、これについては考え直していただきたいという指摘を受けております。その後、私どもとしましては、この点については配慮いたしまして、9月にこの部分を県としましては、条件を付けないというふうにしました。その後、今月に入りまして私どもの方で、消費者団体それから私どもの方、それから先ほど申し上げました石油商業組合、それぞれ3者が集まりまして懇談会を持ちまして、今後のことについて、話し合いを始めたというところでございます。
◆宮澤敏文 委員 それじゃ、このことについては改正すべきことは改正してという形で、前に進んだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
◎宮津雅則 生活文化チームリーダー 今の申し上げた中にあったとおり、表示を進めるということでは、三者とも認識は一致しております。その中で、それぞれの団体、またどういう中で進めていくかについて、今後とも議論していくということでございます。
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「改正すべきことは改正してという形で、前に進んだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね」
⇔いえいえ、宮澤委員、消費者からみれば、骨抜きにされて、後退したということでございます。
哀れなのは消費者である。彼らは、業界団体のような、強力な組織を持たない。議員と通じて、議会で質問させるという工作もできない。消費者基本法は、第1条で「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差」を、指摘する。だから、行政は、というか、少なくとも消費者行政を担当する部署は、消費者の立場に立った施策を推進しなければならないはずなのだ。
ところが、業界についた議員から、重箱の隅をつつくような質問をされ、答えに窮すると、それだけでもう降参だ。
県会議員とは、一体誰の味方なのだろうかと、考えさせられた。そりゃまー、業界団体に恩を売っておけば、消費者団体にそうするより、票は稼げるかもしれない。消費者よりも、業界の利益を代弁する議員がいてはいけなという法も、ない。その半面で、消費者の利益を擁護する議員がいれば、バランスはとれる理屈だ。
だけど、そういう議員が、いないみたいなんだよ。消費者の立場で、この価格表示問題をフォローした議員の気配が、全くない。田中元知事と彼の政策を信奉した議員がいたはずだけどねえ。議会のチェック機能とは、誰のためのチェック機能なのだろうか。
怒れよ、消費者。
下村恭議員。宮澤敏文議員。彼らの名前を覚えておこう。
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