(前回までのあらすじ)-------------------------------------
小職が県観光協会へ派遣されていたときのお話。
長野県内FC(フィルム・コミッション)から、県施設のロケ撮影への協力を訴えられた小職は、関係者間の調整に奔走し、本庁の管財課担当者から、OKの内示を得た。
しかし、県庁サイドの政策調整の窓口としてアテにしていた産業振興課(観光担当)の反応が、イマイチ。知事への直接提案に賭け、進展させようとする小職であったが...
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小職の提案は、知事ヒアリングの対象となり、平成15年12月15日、御前でプレゼン奉ることに。ちなみに当時の知事は、田中康夫氏。
今はなきガラス張りの知事室に、まかり通る小職。
長野県庁職員にありがちな、資料棒読みプレゼンは避けたい小職は、資料の説明に入る前に、かました。
「この提案は、県内の全てのフィルムコミッションからの、現場の要望が元になっています。行政財産使用許可の運用で、実現できます。経費も軽微と見込まれます。知事、ぜひ実現したいと思います」
説明に入ると、ややあって突然、遮る知事。
「わかった! じゃー映画の脚本を読んで、どのようなシーンが必要となるのかイメージできる人材を育成することが必要ということだ」
へ!? いや、人材育成なんて大上段なことじゃなくてですね。と、言う間もなく、これにてヒアリング終了。この人、発想が飛んでるからなあ、変な方向に行かなきゃいいけど、と不安になる小職。
全てのプレゼンが終了した後、知事訓話を賜る。
「今後、経営戦略局の職員が、各提案ごとに担当として配置され、提案趣旨の実現性について、関係機関の調整を行う。各提案者も、これに協力し、実現させる覚悟を持て。経営戦略局から接触がないときは、知事宛てに直接接触してよい」
田中康夫氏は、基本的に、行政組織を信用していなかったことが、わかる。提案ごとに、担当を配置し、それでも組織が動かないこともあると見越し、そのときは自分に訴えろとまで言う。
正直、「そこまでしなくても、いいんじゃない?」とも思った。しかし、小職の甘さを、後に思い知ることになる。
提案者全員に握手を求める田中氏。その機会を捉えての、会話。
「知事、お願いがあります」
「なんですか」
「もう、わんだるま国王のピンバッジは、着けて下さらないのですか」
「あーあ、わんだるま着けろって、言われちゃったー」
分かったとは、言わずに、去る田中氏。
わんだるま国王とは、当時の観光協会が、「スキー王国NAGANO」キャンペーンで使っていた、ゆるキャラ。安斎肇氏デザイン。
http://yassy.system-a.org/keiei/brand/design/character.htm
前シーズンには、盛んに着けていたわんだるま国王のラペルピンを、その冬は、まだ着けているのを見たことがなかった。
翌日、記者会見に臨む知事のラペルには、わんだるまが鎮座していた。
田中氏を厭う小職であるが、氏にそういうところもあったことは、公平のために付言しておく。
(続く)
ところで、リクエストくださった方。FCの関係の方ですか? 何故この話に興味を持たれたのか、コメントまたはメールいただけると、ありがたく存じます。
ここまで読んでくれて、ありがとう&お疲れさまでした。
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結局この話のつづきはなしなのかな?
返信削除つづきは、小著「長野県庁の『不都合な真実』」で♪
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