【小泉一真.net】とは

職員・組織の意識改革を目指して、実名を明かし、情報公開請求とブログで戦ってきた、長野県庁元小役人・小泉一真(こいずみかずま)。平成23年5月16日、長野県庁「卒業」。民間人の彼に、何ができるか-「俺の体を斬ってみろ。シナノ・オレンジの血が流れてる」


*外部サイトからのリンク、コメント、論評等は、管理者の許可を必要としませんので、ご自由に。でも、事後に教えていただけると、嬉しく存じます。

新ホームページ作りました。

政治活動のための、新しいホームページを作りました。


今後はこちら↑のサイトを運用していきます、アクセスよろしくお願いします。

( http://ameblo.jp/kazumakoizumi/ は、機能上の理由で、更新を停止します。アクセスいただいた方、すみません)


2011年1月9日日曜日

県庁内にある水平の壁-仕分け対象事業について公文書開示請求

1月16日に実施される事業仕分けの対象の一つとして、「長野県デジタルアーカイブ推進事業」がある。

事業仕分け
http://www.pref.nagano.jp/soumu/gyoukaku/shiwake/shiwaketop.htm

長野県デジタルアーカイブ推進事業
http://digikura.pref.nagano.lg.jp/

この事業については、思うところがあったので、関係する全ての情報開示を求めたところ、一部を除き公開決定があった。7日、閲覧してきた。

んー、なんか、阿部知事の言う「長野県庁内の壁」を感じる結果だったなあ。この場合、縦割りでなく、「横割り」の壁。部署間の壁でなく、県庁組織のピラミッドの各ステージの間にある、水平方向の壁。

デジタルアーカイブを推進する構想が持ち上がった平成18年当時、長野県職員イントラ会議室(JSN)で、情報政策課が、職員一般に対して意見を求めたことがあった。政策形成の議論にJSNを使おうというのは、もともと想定された使い方ではあるのだが、金輪際なかったことなので、記憶している。

小職は、長野県の作成した行政情報のドキュメントこそ、アーカイブとして保存するべきだと主張した。また、民間にすでにある同種の事業-八十二文化財団のような-と競合すべきでないとも論陣を張った。

結局、議論は期待したほどに深まることはなかった。何をアーカイブの対象とするべきかという、入り口論についての意見を募りながら、一方では既に情報政策課には増員が配置され、庁内にワーキンググループを立ち上げていたからだ。増員が配置されるという、事業の既定路線が敷かれているのに、何をアーカイブの対象とするか未定とは、どういうことだ? 同課の意見を求める意図が分からず、議論は迷走した。
同課は、WGの途中経過を報せると言いながら、そうすることもなかった。イントラ電子会議室の議論も、尻すぼみになった。

今回、公文書を閲覧して、その理由が、ようやくわかった。

デジタルアーカイブの推進は、トップダウンの指示によるものであったのだが、そのトップのビジョンが明確に伝わっていなかったのが、迷走の原因らしい。SBC(信越放送)が、当時の腰原副知事に企画を持込み、やる気になった副知事が、情報政策課にその推進を指示した。ところが、情報政策課は、副知事の意図を図りかねたようだ。

エライ人に、「あのー、どういう方向性で行けばいいのでしょうか」と、訊き直すことも憚られるし、変な方向に進めて後で怒られるのも恐い。かと言って、何もしないわけにはいかない。WGでも立ち上げておけ-そういうことだったのだろうと、小職は解釈した。

稟議書「『長野県デジタルアーカイブ』について」は、18年11月21日に決裁され、WG立上げにGoサインが出ている。
だが、あーでもねーこーでもねーと議論をこね回すばかりで、会議は踊るされど進まず、の状態に。WGを6回ほど重ねると、会議の目指すところが分からなくなった等の意見が、公然と噴出するようになる。副知事も、推進を指示したのに、進展が見られないことに業を煮やしたか、5月17日、情報政策課に、レクチャーを求めている。

Wonder沖縄」を目指し、それを超えるもの
長期的に(20年から50年)に取り組む観光に使えるもの
但し、あまりカネはかけるな

という趣旨の副知事の指示が出て、やっと議論は転がり出す。
まー意地悪な言い方をすれば、腰原副知事が待ちくたびれて、次の具体的な指示を出すまで、半年もの間、時間を稼いでいたということ。気軽に、副知事の時間が空いているときを捕まえ、自分から相談することもできなかったのだ。エラい人と話すのが、恐れ多くて。

村井前知事と話す機会があったが、こんなことを言っていたことを思い出した。

「自分がレクチャーを聴くときは、課長が説明して、担当者が後に控えている。質問して、課長が答えられないと、担当者がメモを書いて、課長がそれを読む。直接担当が答えればいいではないか」

そのとおりだと思う。まー村井氏も、そう思うなら、職員にそういうメッセージを、広く流すべきであったとは思うけど。
ことほど左様に、知事や副知事と話すことは、恐縮に耐えないという風潮が、長野県庁には、ある。ばかばかしー。特別職に敬意を払うことは勿論必要だが、こんなのは前時代的。

阿部知事は、暇があるときに、庁舎内をぶらぶらして、末端の職員に声をかければいいのに。それが、横割りの壁を壊すいちばんのクスリになる。

ところで、副知事の意向が示されてからの、デジタルアーカイブ事業の推進状況は、なかなか見事なものと、小職には思えた。それまで経験のない事業を、一から組み立てる苦労のほどが偲ばれる。
長野県庁における審議会の運営は、行政の示す方針の追認に終わる、形式的なものもあると聞く。が、デジタルアーカイブ推進協議会では、意欲的な議論・提案が行われていた。周知や、利用推進のためのイベントも開催されていて、自ら汗をかいている。
で、実際のデジタルアーカイブを観ても、マジメな収蔵ぶり。渋い資料のオンパレードだね。民間で、こういう仕事ができるだろうか...などと、ついつい不遜な考えも、浮かんでしまう。
小職は、「Wonder沖縄」を超えるという副知事の指示は、実現されたと思う。

行政が、デジタルアーカイブに取り組む意義については、次のような考えもある。

「なぜ,国家規模のアーカイブが行われるかというと,それが民主主義や情報公開のベースとなるからである.

欧米では,自国に不利な場合でも,その事象に関連する物を保存したり,データの再検証などを行い,後世に情報を伝えるというスタンスがとられている.しかし,日本は,第2次世界大戦をはじめとして,過去を清算してしまうところがある.ビジネスになるかどうかはまだわからないとしても,そのあり方を見直していくことから,デジタルアーカイブの発展は始まるのかもしれない.」
「通信&メディア研究会会報111号」

長野県がデジタルアーカイブを、今後も継続して推進する意義は、あるのではないか。仕分けを前に、そう考えた。

小泉 かずま
 
ここまで読んでくれて、ありがとう&お疲れさまでした。
↓ Clickして、小職にパワーを送ってください! (^人^)ナムナム ↓
にほんブログ村 その他日記ブログ 公務員日記へ
↑ Clickありがとう! 人気ランクがアップするんですヽ(^◇^*)/ ↑

0 件のコメント:

コメントを投稿