その原発について、東京電力幹部の現状認識は、次のようなものであるらしい。
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武藤栄副社長は21日夜、記者会見し、事故が相次ぐ福島第1原子力発電所を将来的に廃炉とするかどうかの判断について「一刻も早く発電所を安定な状態に持っていくことが一番大事。それ以降のことは、現時点では申し上げる段階にはない」と述べ、明言を避けた。
[東京 21日 ロイター]
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もしかすると、現場作業に当っている東京電力関係者の士気への影響を考えた発言なのかもしれないが、それにしても甘い認識のような気がする。
事態沈静化の後は、客観的に見て、廃炉しかないだろう。あれだけジャブジャブと海水につければ、機器の腐食やミネラル分の付着などの影響があるとみなければならないだろうことは、シロート目にも明らかだ。原子力保安院がOK出すんだろうか。国民感情や福島県民の感情は、考慮にいれたのだろうか。
そもそもこの原発は、本来であれば、そろそろ順次廃炉にするべきなのだ。
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東京電力は7日、運転開始から3月で40年を迎える福島第一原発1号機(福島県大熊町)について、40年経過後さらに10年間運転を続けるための保安規定の変更認可を、経済産業省原子力安全・保安院から得たと発表した。(時事 2011/02/07-18:22)
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1号機は1971年3月運転開始。ちょうど延長が認可されたところで、深刻な事故がおこってしまった。1号機と同様に原子炉内に海水を注入している2号機は2014年に、3号機は2016年に、それぞれ節目の年を迎えるはずであった。設計上は、少なくとも1機は減価償却をほぼ終えている。
4号機と5号機は、使用済み核燃料貯蔵プールの冷却水循環の不調であって、原子炉自体に海水を入れたわけではないから、もしかするともう少し使いたいと、東京電力は言うかもしれない。もっとも、起きている事象は十分すぎるほど危険であり、国民の合意が得られるかは疑問だが。
忘れてはならないのは、使用済み核燃料貯蔵プールで、これほど重大な事故が発生したということだ。高度な技術と制御を要する原子炉に比べ、比較的簡単な施設でこのような事故が起きることは、盲点だったのではないか。廃炉しても使用済み核燃料の問題は終わりにはならない。今後は、原発自体にとどまらず、貯蔵設備や青森県六ヶ所村に建設中の核燃料再処理施設、放射性廃棄物処理設備等に至るまでの、核燃料サイクル全てにわたる安全基準の見直しと引き上げがもとめられるだろう。
一方で、二酸化炭素排出の削減のため、日本やアメリカは、原子力発電への依存を高めようとしているところであった。
ここで小職が、原子炉全廃を唱導できればかっこいい。だが、低炭素化社会と、経済成長を両立させるには、原子力エネルギーの最低限の活用は、やはり必要だろう。ただし、今まで述べてきたように、それは安全基準の大幅な見直しを前提とする。今までと同じコストでの原子力による電力供給は、無理だろう。
小職は、電気料金を、値上げするべきだと思う。
そもそも、原子力依存を抜きにして考えても、節電は低炭素化のためには必要だ。そのためには、値上げがいちばん効く。値上げすれば、風力や太陽光等によるクリーンな電力の売電単価も、連動して上げられるだろう。クリーンな電力への置き換えを促す効果もあるはずだ。
ただし、一律に値上げすると、低所得者層には、過重な負担となるかもしれない。だったら、所得階層により、電気料を階層化してもいい。所得が高く、高い文化的な生活を享受する世帯は、その維持のために、それなりの負担をお願いすることは、それほど的外れなことではないだろう。
小泉かずま
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